ユネスコ世界遺産

© Travel Alberta

ユネスコ世界遺産

UNESCO WORLD HERITAGE SITE

ユネスコ世界遺産

アルバータ州を旅していれば、旅程のルートからそれほど離れていないところに有名なユネスコ世界遺産が1つや2つあるはずです。どこも一見の価値がある世界遺産。ぜひ訪れてみましょう。

  • ・ユネスコでは、世界各地で1,000件以上の物件を「世界遺産」として登録しています。
  • ・アルバータ州には、カナダで最多となる6件の世界遺産があります。

アルバータ州には、6つのユネスコ世界遺産があり、州別に見るとアルバータ州がカナダ最多の世界遺産を有しています。このように注目を浴びる有力スポットは、アルバータ州の歴史と文化の両面で極めて重要な存在として保全対象に指定されています。もちろん、アルバータの旅の見どころとして、はずすわけにはいきません。

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群

カナディアン・ロッキー山脈自然公園群

© Parks Canada/Ryan Bray

アルバータ州で圧倒的な存在感を誇るカナディアン・ロッキー。その息を呑むような美しさに魅了されます。ユネスコ世界遺産に登録されているカナディアン・ロッキー山脈自然公園群は、アルバータ州のバンフ国立公園とジャスパー国立公園、ブリティッシュ・コロンビア州のヨーホー国立公園、クートニィ国立公園などで構成されています。
この公園群は、1984年にユネスコ世界遺産に登録されました。カナディアン・ロッキーの旅は、季節を問わず感動します。冬なら白銀のゲレンデでスキーやスノーボードを堪能。夏には、どこまでも続く大自然の中でキャンプやハイキング、登山、ラフティング(ゴムボートによる急流下り)、乗馬など、カナダならではのアクティビティが楽しめます。のんびり派には、リゾートでゆったりくつろぎ、ラグジュアリーな雰囲気の中で絶景を満喫する満ち足りたひとときを過ごすのもおすすめです。

また、岩場に設置済みのワイヤーに身体をハーネスなどでつないで岩肌を登るロッククライミングの一種「ヴィア・フェラータ」のコースも整備されていて、まるで鳥になったように高いところからカナディアン・ロッキーの姿を見下ろすことができます。

州立恐竜公園

州立恐竜公園

© Travel Alberta / Scott Bakken

タイムマシンで別世界に迷い込んでしまったかのような景色が広がる州立恐竜公園。7500万年ほど前、この辺りは恐竜たちが歩き回る亜熱帯の楽園でした。今は乾燥した砂漠のような荒野が広がり、ところどころにフードゥーと呼ばれるキノコのような奇妙な形状の岩や、風化した峡谷が見られます。1979年にユネスコ世界遺産に登録された州立恐竜公園では、これまでに恐竜の全身骨格が150点以上も発掘されています。カナディアン・バッドランドと呼ばれる荒涼とした地で、化石探しを堪能するガイドツアーもあります。

アルバータ州の州立恐竜公園で、かつて恐竜たちが暮らしていた大地を実際に歩き回る感動のひとときを体験してみませんか。

ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプ

ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプ

© Travel Alberta / Mike Seehagel

かつてのバッファロー猟は、崖の上に追い詰めたバッファローを突き落として仕留める方法がとられていました。こうした猟に使われた崖は、バッファロー・ジャンプと呼ばれます。中でもアルバータ州にあるヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプは、世界でも最も歴史があり、保存状態も極めて良好との定評があります。このバッファロー・ジャンプは、先住民の間で6000年近くの長きにわたって狩猟に使われてきました。1981年にユネスコ世界遺産に登録されたヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプでは、先住民ガイドが同行する見学ツアーがあり、この歴史に彩られた崖の歴史や重要性について知識を深めることができます。また、崖の下には、案内センターがあるので、こちらも必見です。

ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプの周辺は、アルバータ州らしい起伏のある広大な平原が広がっています。

ウッド・バッファロー国立公園

ウッド・バッファロー国立公園

© Nick Fitzhardinge @nick_fitzhardinge

ウッド・バッファロー国立公園では、本物のバッファローが暮らしています。アルバータ州北部の人里離れたところにある同公園の面積は、東京都の約20倍、北海道の半分以上に相当する44,807平方キロメートル。カナダ最大の国立公園です。1983年にユネスコ世界遺産に登録された同公園は、豊かな北方林が広がり、多種多様な野生動物が生息しています。この地には、3000頭以上のバイソンが生息するほか、オオカミ、クマ、ムース(ヘラジカ)、フクロウ、極めて希少なアメリカシロヅルの姿も見られます。
さらに、ウッド・バッファロー国立公園は、世界最大の星空保護区として星空観察ファンの聖地としても知られています。夜更かしをして待ち構えていると、夜空にはゆらゆらと輝くオーロラに出会えることも。

ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園

ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園

© Andy Best @andy_best

アルバータ州の感動的な山並みは、カナダ南部、アメリカとの国境に近いウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園まで続いています。
この公園は、国境を挟んで接するアメリカ・モンタナ州にまで広がっていて、カナダ側のウォータートン・レイク国立公園とアメリカ・モンタナ州側のグレイシャー国立公園を合わせて、ウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園と呼んでいます。ウォータートン・ショアライン・クルーズ社(Waterton Shoreline Cruise Co.)では、カナダ側とアメリカ側を日帰りで楽しめるクルーズツアーの予約を受け付けています。このウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園は、1995年にユネスコ世界遺産に登録されました。穏やかで風光明媚な湖(SUPやカヌーに最適)、色とりどりの野生の花々、初心者からベテランまであらゆる難易度に対応する地域色豊かなハイキング・トレイル、多種多様な野生動物など、アウトドアのオアシスと呼ぶにふさわしい環境です。
ほかにもレッド・ロック渓谷やブラキストン滝、さらにはフォトジェニックな湖の景色が眼前に広がる歴史的なプリンス・オブ・ウェールズ・ホテルといった見どころもお忘れなく。

ライティングオンストーン州立公園(アイシナイピ)

ライティングオンストーン州立公園(アイシナイピ)

© Travel Alberta / Davey Gravy

この公園は、アルバータ州で最も新しいユネスコ世界遺産で、2019年に登録されました。ライティングオンストーン州立公園は、先住民ブラックフット族の言葉で「アイシナイピ」(「描かれた・書かれた」の意)と呼びます。これは、1万年前頃にブラックフット族が描いたとされる岩絵が現地に多数残っていることに由来します。1万年以上前から先住民が定住し始めたこの地域には、不思議な形のフードゥー(奇岩)が数多く点在し、さまざまな先住民文化の中で神聖な地とされています。実際、この土地をめぐる先住民の物語は多数残っていて、土地に宿る聖霊が岩絵として真理を後世に伝えていると考えられています。この辺りには、ペトログリフ(岩面彫刻)や壁画(岩絵)が大量に残されていて、その規模は北アメリカ最大級とされており、こうした貴重な遺跡をめぐるガイドツアーが開催されています。

アルバータ州で新たに世界遺産の仲間入りを果たした公園で、太古の時代から伝わるペトログリフや壁画、フードゥーを見学しながら、悠久の歴史に思いを馳せてみませんか。